
投資信託選びで見るべき重要指標と評価!脱初心者へステップアップ
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#投資信託
公開日:2025/03/14 更新日:2025/03/14文/阿部 司 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
投資信託は、資産運用をプロに任せられるため、投資初心者の方にも始めやすい金融商品です。しかし、数多くの投資信託の中から自分に合った商品を見つけるのは容易ではありません。手数料などのコストを確認することはもちろん大切ですが、それだけでなく、さまざまな指標や評価基準をもとに判断することが重要です。
この記事では、知っておくと役立つ重要な指標や評価基準を分かりやすく解説します。
もくじ
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投資信託選びで知っておきたい重要指標・評価
投資信託を選ぶ際に重要なのは、「期待するリターンに見合った運用実績やリスクかどうか」です。これを判断するためには、投資信託の実績を正しく把握する必要があります。以下の指標や評価基準を使って、感情に左右されず理論的に投資信託を選びましょう。
トータルリターン(運用実績)
トータルリターンは、投資信託の過去のパフォーマンスを全体的に把握するための指標です。
トータルリターン= 現在の評価金額+累計売却金額+累計受取分配金額ー累計買付金額(税込買付手数料含む) |
トータルリターンを確認することで、投資信託の総合的な運用実績を把握できます。ただし、短期間の運用実績では、相場環境の一時的な変動(金融危機等による大暴落や、バブルによる急騰など)がそのまま反映され、参考にしづらいことがあるため、長期的な運用実績も合わせて確認すると良いでしょう。
標準偏差(価格変動リスク)
標準偏差は、データが平均値の周辺でどれだけばらついているかを示す指標です。金融商品では、価格変動の大きさを示すために使われます。
投資信託を比較する際、平均リターンが同じでも値動きの幅(価格変動リスク)が異なる場合があります。値動きが大きいほど標準偏差も大きくなり、平均リターンだけではわからないデータのばらつきが分かります。
例:投資信託の過去1年の平均リターンが3%、標準偏差が10%の場合
値動きの範囲(標準偏差) |
値が範囲内に収まる確率 |
− 7% ~ +13% の範囲 | 68.3% |
−17% ~ +23% の範囲 | 95.4% |
一般的に、高リターンを目指す投資信託は価格変動リスク(標準偏差)も大きくなる傾向があり、大きな利益や損失の可能性があります。一方、価格変動リスクが小さい投資信託は値動きも小さく、ローリスク・ローリターンの傾向があります。
シャープレシオ(投資の効率性)
シャープレシオとは、投資の効率性(取っているリスクに対しどの程度効率的にリターンを得ているか)を示す指標です。投資信託では、運用実績を比較する際などに利用されます。
シャープレシオ = (投資信託の年率平均リターン − 無リスク資産のリターン) ÷ 標準偏差(価格変動リスク) |
シャープレシオの値が大きいほど低いリスクで高い投資リターンを得られたことを意味し、その値が大きいほど投資の効率が良い(値動きのばらつきを抑えたリターンが得られる)とされます。
つまり、同じ価格変動リスクを持つ2つの投資信託がある場合、シャープレシオの値が大きい投資信託のほうが、同じリスクに対してより多くのリターンを効率的に生み出していることを示します。ただし、シャープレシオはあくまでリスクに対するリターンの効率性をみる指標であり、シャープレシオの数値が大きい=ローリスク・ローリターンとなるわけではないことに注意が必要です。
騰落率(変動幅)
騰落率とは、一定期間内に基準価額がどれだけ変動したかを示す指標です。一般的にパーセントで表示され、金融商品の価格動向を把握するために用いられます。
運用会社が発行するレポート等では、1か月、半年、1年、設定来といった期間における騰落率(基準価額の変動率)が示されています。
騰落率(%)= (現時点の基準価額 − 過去の基準価額)÷ 過去の基準価額 × 100 |
例えば、基準価額が10,000円から1年後に15,000円になった投資信託の1年間の騰落率は50%となります。
騰落率と混同しやすい用語として「利回り」があります。投資信託の「利回り」とは、投資元本に対してどの程度の収益を上げたかを示すもので、分配金を含めた総合的な投資成果を示します。一方、騰落率は通常、分配金を含めず基準価額の変動のみを示します。また、騰落率はあくまで過去の実績であり、将来の運用成果を保証するものではない点に注意が必要です。
Max Drawdown(最大下落率)
Max Drawdown(最大下落率)とは、一定期間内で基準価額がピークからどれだけ下落したかを示す指標です。
Max Drawdown(%)= (ピーク時の基準価額 − 最安値の基準価額)÷ ピーク時の基準価額 × 100 |
例えば、ある投資信託の1年間の最高値が15,000円、最安値が5,000円の場合、1年間のMax Drawdownは約66.6%です。これは、過去の実績では、最大で6割強の下落が発生したことがあることを示しています。
Max Drawdownは、投資商品のリスクを評価するうえで重要な指標であり、自身のリスク許容度と照らし合わせて投資商品を検討する際の参考になります。
指標・評価は定期的にチェックしよう
投資信託の運用状況は常に変化しますので、指標の変動や運用実績を定期的にチェックすることが大切です。これらの指標や運用実績は、投資信託の月次レポートや各証券会社のWebサイトで確認できます。
商品選びが不安な方は、口座を開設している証券会社の担当者や、コールセンターへ相談してみるのも良いかもしれません。また、東海東京証券のブログやメルマガでも投資信託の選び方や管理に役立つ情報を随時お届けしていますので、ぜひご活用ください。