ロボアドバイザーを資産運用に活用!”ロボアドやめとけ”と言われてしまう理由と、メリット・デメリットを解説します!

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#ロボアド

公開日:2025/02/17 更新日:2025/02/17

文/阿部 司 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)

 
投資を気軽に始めたい方にとって、ロボアドバイザーは資産運用を任せられる便利な選択肢の1つです。しかし、「投資初心者にはロボアドバイザーの利用をすすめない」という意見がSNSやブログなどにも見られます。

そこで本記事では、ロボアドバイザーの基本情報から、効果的な活用法や注意すべきポイントまで、分かりやすく解説します。

 

もくじ

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ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーは、AI等を活用して利用者に最適な資産運用を提案・実行するサービスです。感情に左右されない合理的な判断が可能で、どなたでも簡単な操作で利用できます。「アドバイス型」と「投資一任型」の2種類があり、自分に合ったタイプを選ぶことで、自身のリスク許容度や目的に合ったポートフォリオでの資産運用が可能です。

AI等を活用した資産運用の自動化サービス

ロボアドバイザーは、利用者の年齢や投資目的、資産状況などの情報を基に、AI等を活用することで、自動で最適な投資先を提案するサービスです。その特徴は、感情に左右されない合理的な投資判断を行う点にあります。例えば、長期的な運用方針にも関わらず、短期的な相場変動で焦って売却してしまう「狼狽売り」など、個人投資家が陥りやすい感情に基づいた取引を行ってしまうリスクを減らすことができます。このようなことからロボアドバイザーは投資初心者の方にとって、資産運用を手軽に始めやすいサービスと言えます。
 
ロボアドバイザーには、大きく分けて「アドバイス型」と「投資一任型」の2種類があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
 

「アドバイス型」とは

アドバイス型は、利用者の情報を基に、自動で最適な運用方針を提案しますが、最終的な投資判断や売買取引は利用者自身が行うタイプです。例えば、いくつかの簡単な質問に答えるだけで、自動でリスク許容度を判定し、利用者に適したモデルポートフォリオを提案します。東海東京証券が提供する投資ナビゲーター」には、このタイプのロボアドバイザー機能が搭載されています。無料で利用でき、簡単な質問に答えるだけでモデルポートフォリオが提案されますので、ぜひ試してみてください。

特徴

  • ロボアドバイザーの提案を参考にしながら取引を進めるため、投資に関する専門知識がなくても、リスク許容度に合った合理的なモデルポートフォリオで資産運用ができ、投資に関する知識も深めることが可能
  • 投資判断や投資アドバイスに関する手数料は無料のものが多い

アドバイス型は、自ら運用を管理しながら投資に関する知識を身につけたい方に向いています。

 

「投資一任型」とは

投資一任型は、自動で運用方針を提案するだけでなく、利用者がその提案を承認すれば運用の全てを任せられるタイプです。例えば、CHEER証券が提供する「おまかせ運用」(※)は、このタイプのロボアドバイザーになります。

特徴

  • 自動で売買判断を行い、ポートフォリオを管理
  • 相場変動に応じて自動でリバランスを実施
  • 投資に関する知識がなくてもポートフォリオ運用が可能

投資一任型は、運用を手軽に始めたい方や、日々の売買取引管理に時間をかけたくない方に適しています。ただし、運用に伴う手数料(投資判断や投資アドバイスに関する手数料含む)が発生するため、自分の投資経験や投資目的に応じて、アドバイス型と使い分けるとよいでしょう。
 

ロボアドバイザーを活用する流れ

ロボアドバイザーを活用するには、まずサービスを提供している証券会社などで口座を開設する必要があります。口座開設後は、一般的に以下のような手順でロボアドバイザーを活用します。なお、具体的な手順はサービスによって異なる場合がありますので、事前に確認してください。

 

運用プロフィールを入力

最初に、利用者の年齢、保有金融資産額、就業状況などの基本情報を入力します。この情報は「運用プロフィール」と呼ばれ、ロボアドバイザーが最適な資産運用方針を提案するための基礎データとなります。

例えば、年齢が高くなるほどリスクを抑えたポートフォリオを提案される傾向があります。これは、50代や60代では資産運用期間が若年層よりも短いためです。また、就業状況では、会社員は安定した収入があることから、フリーランスや退職者よりもリスクを取る資産運用方針を提案される傾向があります。

 

運用方針を決定

基本情報以外に、「何のために資産運用をするのか」「必要なお金を何年で用意するのか」などの質問に回答して、運用方針を決定します。
例えば、東海東京証券の「投資ナビゲーター」では、リスク許容度などに関する5つの設問に答えることで、利用者に最適な運用方針を提示します。運用方針は「安定型」「やや安定型」「バランス型」「やや積極型」「積極型」の5つのタイプに分類され、それぞれに適したモデルポートフォリオが提案されます。
 

提案されたポートフォリオを確認

 

運用方針に基づき、最適なモデルポートフォリオを確認します。
例えば、CHEER証券の「おまかせ運用」では、3つのポートフォリオ(グロース、インカム、インフレヘッジ)が最適な割合で組み合わされ、利用者にとって最適なポートフォリオが提案されます。
 
  • グロース・ポートフォリオ
    主に世界の株式を中心とするETFに投資を行っており、長期的に高いリターンを目指すものです。

  • インカム・ポートフォリオ
    主に世界の債券を中心とするETFに投資を行っており、安定的なリターンを目指すものです。

  • インフレヘッジ・ポートフォリオ
    主に世界の実物資産を中心とするETFに投資を行っており、物価変動による資産価値の目減りを防ぐことを目指すものです。
 
運用を始める前には、提案されたポートフォリオや目論見書を確認し、自分の目的や状況に合っているかを慎重に検討しましょう。
 

入金・運用

ポートフォリオを確認した後、運用開始前に投資資金を入金します。
運用を開始すると、市場環境の変化に応じて自動的にリバランスやリアロケーションを行い、最適なポートフォリオを維持します。また、入力した運用プロフィール・運用方針に基づき、年に1回程度のポートフォリオ自動調整が行われ、投資家は手間をかけずに長期的な資産形成を続けることができます。AIの機械学習を活用したリスク管理により、価格変動による資産価値の低下も抑えられる傾向があります。
 

ロボアドバイザーを利用するメリット

ロボアドバイザーは、投資初心者の方でも始めやすい仕組みになっています。以下にメリットを詳しく紹介します。

 

少額で始められる

大きな資金がなくても手軽に始められる点が魅力です。例えば、日本株式投資では一般的に単元株として100株単位で購入する必要があるため、まとまった資金が必要になります。しかし、ロボアドバイザーなら初期投資額や積立額を自由に設定できるため、投資の経験や知識に応じて金額を調整できます。最初は少額から始め、慣れてきたら徐々に金額を増やしていくことも可能です。
例えば、CHEER証券の「おまかせ運用」では、初期投資がわずか500円から利用可能です。少額でもAIが自動的にポートフォリオを構築し、定期的にリバランスを行ってくれます。
 

NISAを活用できる

一部のロボアドバイザーサービスは、NISAの成長投資枠に対応しています。NISAは、生涯利用可能な非課税優遇制度で、値上がりで得られた売却益等にかかる税金が非課税となります。
例えば、CHEER証券の「おまかせ運用」もNISAの成長投資枠に対応しており、自動で資産運用をしながら非課税のメリットを享受できます。
 

感情に左右されない

ロボアドバイザーを使うことで、投資家は感情に振り回されることなく投資ができます。投資一任型のロボアドバイザ―では、株価暴落などの市場変動が起きても、AIの一定のルールに基づいたリスク管理により、心理的な影響で売買のタイミングを誤るリスクを減らせる点が大きなメリットです。
データに基づいた適切な投資判断と自動的なリバランスによって、目標に応じた資産配分を常に保ちます。ロボアドバイザーは、安定した資産形成をサポートする頼もしいツールといえます。
 

ロボアドバイザーのデメリット

 

ロボアドバイザーは、特に投資初心者の方にとって心強いサービスといえますが、いくつかのデメリットもありますので、以下に詳しく解説します。

 

 

投資信託よりも手数料が高め

 
インデックス型の投資信託は対象の指数への連動を目指すものですが、ロボアドバイザーは、利用者の投資目的やリスク許容度を加味した最適なポートフォリオに基づいた運用を目的としています。目的の違いを認識した上で、運用方法を検討しましょう。
ロボアドバイザーの利用には、年間1%前後の手数料がかかるのが一般的です。一方で、インデックス型投資信託(例:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー))では、信託報酬が最大で税込0.05775%と、非常に低コストな商品もあります。このような、コストの低い投資信託と比べるとロボアドバイザーの手数料は割高に感じるかもしれません。
 
ただ、インデックス型投資信託は対象の指数への連動を目指すものです。マーケットリスクを回避する戦略までは含んでおらず、そこは投資家自身で行う必要があるため、手数料が低く抑えられている側面があります。
 
一方、ロボアドバイザーは利用者の投資目的やリスク許容度を考慮し、最適な資産配分を自動で提案・運用するものです。ポートフォリオのリスクを一定に保つため、資産配分の見直しやバランス調整を行い、価格変動に伴う資産価値の下落リスクを抑える仕組みも含まれています。手数料は比較的高めですが、運用の手間が大幅に軽減される利点があります。
 
それぞれの特徴や強みの違いを理解したうえで、自分に適した運用方法を選びましょう。
 

短期運用には不向き

 

多くのロボアドバイザーは、長期的な視点で最適な資産配分を行うことを前提としています。そのため、短期間で頻繁に取引を繰り返し、相場の変動を捉えて利益を狙うような投資手法には適していないと考えられます。
 
ロボアドバイザーは、投資家のリスク許容度に応じて、株式や債券を組み合わせた分散投資を提案する傾向があります。アドバイス型でも投資一任型でも、自分の判断で途中で資産を売却することは可能ですが、短期取引を重ねるとロボアドバイザーの提案の効果が薄れてしまいます。
 
ロボアドバイザーを効果的に活用するには、提案されるポートフォリオの意図を理解し、長期的な視点で運用を続けることが大切だと考えられます。
 

資産運用の知識が身に付きにくい

 

投資一任型のロボアドバイザーは、投資先や資産配分を自動で任せられる便利な仕組みですが、その分、資産運用の知識が身に付きにくいというデメリットがあります。手軽さゆえに銘柄選定やポートフォリオ構築等のプロセスを経験しないため、投資に関する知識が身につきにくい可能性があります。
 
ロボアドバイザーを活用する際は、定期的に運用状況を確認し、提案内容を自分なりに理解する努力が大切です。金融リテラシーの向上は、長期的な資産形成において重要なポイントとなります。
 
 

手軽に資産運用を始めてみたい方におすすめ

 

ロボアドバイザーはスマホアプリ等を通じて利用でき、投資経験が少ない投資初心者の方でも手軽に始められるサービスです。投資プロセスを学ぶ機会が少ない点はデメリットですが、投資を始める良いきっかけとなるでしょう。
 
投資に慣れている方も、自分のスタイルに合わせてロボアドバイザーを活用することで、効率的な資産運用が期待できます。
 
繰り返しますが、重要なのは、ロボアドバイザーに全てを任せるのではなく、金融リテラシーを向上させる努力を続けることです。実践と学習を重ねることで、より良い投資成果を得られる可能性が高まるでしょう。
 
東海東京証券では、ブログやメルマガを通じて、投資初心者の方向けに投資やマネーに関する情報を発信しています。賢明な投資判断の一助として、ぜひご活用ください。
 
 

 

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※「おまかせ運用」は株式会社お金のデザインが提供する投資一任運用サービスであり、CHEER証券株式会社にてお取扱いがございます。

商号等:CHEER証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3299号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会

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