新着記事

投資信託とは?初心者向けの基礎知識とおすすめの選び方・注意点を解説

作成者: Test|2024/11/14

 

投資初心者におすすめの金融商品の1つに「投資信託」があります。投資信託は「長期・積立・分散」投資に適していますが、初めて投資を始める方は、仕組みが分かりづらいと感じるかもしれません。

そこで本記事では、投資初心者の方向けに、投資信託の基本的な仕組みやメリット・デメリット、選び方や投資する際の注意点などを分かりやすく解説します。

 

 

投資信託とは?初心者向けに基本を解説

投資信託は多くの個人投資家の間で人気な金融商品の1つです。投資信託の基本的な仕組みについて、投資初心者の方向けに詳しく解説していきます。

 

投資信託の基本的な仕組み

投資信託は、複数の投資家から集めた資金を1つの大きなファンドとしてまとめ、株式や債券、不動産などさまざまな資産に投資する仕組みです。実際の運用は、金融の専門家である運用会社で行います。

投資信託は運用会社によって組成され、証券会社や銀行などの販売会社を通じて投資家に販売されます。集められた資金は信託銀行が資産の保管・管理を担います。

運用会社は、信託銀行に資産の投資指示を行い、その指示に基づき売買が実施されます。このように、投資信託は販売・運用・管理の各役割が専門の機関によって分担されている金融商品です。

 

投資信託とETF(上場投資信託)はどう違う?

投資信託とETF(上場投資信託)は、いずれも金融の専門家が運用する商品ですが、いくつかの違いがあります。まず、ETFは証券取引所に上場しており、株式と同様の取引時間で売買できます。これに対して、投資信託は上場されておらず、1日1回算出される基準価額での取引となります。

また、両者とも保有中にコストが発生しますが、一般的にETFのほうが投資信託よりも運用コストが低い傾向にあります。ただ、最近では投資信託も低コスト化が進み、ETFと同程度のコストの商品も増えています。

 

投資信託が初心者に向いている理由

投資信託が投資初心者の方に向いている主な理由は次の通りです。

 

少額から始められる

投資信託は証券会社によっては100円単位で購入でき、投資初心者の方でも手軽にスタートできます。

 

専門家が運用を行ってくれる

投資信託は専門家が運用するため、銘柄分析やそれに伴うリバランス、組み入れ銘柄の変更も行います。株式投資に比べ、自身で個別銘柄の情報収集に時間を割かなくても、投資信託の運用テーマに沿った運用を適宜行ってくれます。

 

分散投資が容易でリスク管理がしやすい

投資信託は一般的に複数の資産を組み合わせた商品であり、個別株投資に比べて、リスクが分散される傾向があります。

さらに、NISAやiDeCoといった非課税制度を利用した購入が可能なため、税金面でも初心者に適した金融商品の1つといえます。

次章では、投資信託のメリットについてもう少し掘り下げて解説します。

 

初心者にうれしい投資信託のメリット

投資信託は、初心者から上級者まで幅広い層に利用される利便性の高い金融商品です。ここでは特に投資初心者の方におすすめできる魅力を紹介します。

 

少額から始められる

前述のように、投資信託は少額から始められます。株式や債券への直接投資にはまとまった資金が必要ですが、一方投資信託は金融機関によりますが100円や500円単位からの購入が可能です。

例えば、初期費用として1万円程度しか用意できない場合でも、毎月数百円の積立投資が始められます。少額から投資をスタートすることで、投資の知識や経験があまりない投資初心者の方でも損失のリスクを抑えながら、長期的な資産形成を目指せます。

また、少額から始めて投資の習慣を身につけ、徐々に金額を増やしていくことも可能です。

 

分散投資がしやすい

株式や債券で分散投資を行うには、複数の株式や債券を組み合わせたポートフォリオを作る必要がありますが、これには最低数十万円~数百万円単位の資金が必要です。

投資信託は小口資金を集めて運用し、株式や債券、不動産など多様な資産に分散投資が可能です。業種や企業規模、投資スタイルなどの異なる切り口で投資を行うため、個別株投資に比べ、特定の銘柄の値動きによる影響が抑えられます。

また、値動きが異なる資産を組み合わせることで、全体の「リスク=値動き」を抑えやすい点が魅力です。

 

運用の手間が少ない

株式や債券に直接投資する場合は、銘柄選びや管理のため、日々の市場の動向や個別銘柄の情報収集を行う必要があります。一方、投資信託は専門のファンドマネージャーが運用を担当し、企業分析や投資先の選定を行います。

また、経済状況や市場変動に応じてポートフォリオの見直しも行うため、個人投資家は細かい運用管理の手間が省けます。

投資経験が少ない方や忙しい方でも、購入した投資信託の運用目的やテーマに沿った資産運用ができる点が投資信託の大きなメリットです。

 

投資信託のデメリット

投資信託には上記のメリットがありますが、デメリットやリスクもあります。投資を始める前に、それらのリスクや注意点をしっかり理解しましょう。

 

専門家に任せても損することはある

運用をプロに任せるとはいえ、リスクがなくなるわけではありません。投資信託は元本保証の金融商品ではないため、損失を出すこともあります。

投資信託がもつ主なリスクは以下の5つです。

 

価格変動リスク

投資信託の主な投資対象である株式や債券の価格は常に変動します。市場全体の動向や個別銘柄の業績変化によって、基準価額が下落する可能性があります。

 

信用リスク

債券に投資している場合、発行体の信用に関わるリスクがあります。格付けが低下すると価格も下がる可能性があります。また、破産などで利息や元本が全額支払われなくなる可能性もあります

 

金利変動リスク

金利が上昇すると、保有債券の価格は下がります。特に債券中心の投資信託では、金利上昇時に基準価額が下がることがあります。

 

為替変動リスク

外国株式や外国債券に投資する場合、為替レートの変動が基準価額に影響し、大きな変動を招くことがあります。

 

カントリーリスク

外国株式や外国債券に投資する場合、各投資対象国・地域の政治・経済、金融市場、社会制度、対外関係等の変化により、資産価格の変動や為替レートの変動が影響し、基準価額が下がることがあります。

 

これらのリスクにより、投資元本が割れることもあります。必ずしも利益が確保できるわけではないことを理解しておきましょう。

 

取引にコストがかかる

投資信託を選ぶ際には、コストに注意を払うことが重要です。売買や分配金で高いリターン(経費・手数料が引かれる前のリターン)が得られても、コストも高いと実際の利益が減ってしまうため、効率的に利益を得るためには、低コストで高収益が期待できる投資信託を見極める必要があります。

以下は、投資信託にかかる主なコストです。

 

購入時にかかる「購入時手数料」

購入時手数料とは、投資信託を購入する際に販売会社に支払う手数料です。販売会社の営業費用や投資家向けのサポートの対価として徴収され、一般的に申込価額の数%程度が目安です。

販売会社によって手数料率は異なり、投資信託によっては手数料がかからない商品(ノーロード)もあります。ノーロード型の投資信託は初期費用が抑えられるため、コストを抑えたい方に向いています。

 

保有期間中にかかる「信託報酬」

信託報酬は、投資信託を保有している間にかかる費用で、保有額に応じて日々差し引かれます。運用管理費用とも呼ばれ、一般には「年間リターンから差し引かれている」と思われがちですが、実際には信託財産から日々控除されています。このため、特に中長期的な投資のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

信託報酬は、ファンドの信託財産から運用・管理の対価として支払われ、運用会社が受け取った後、その一部が販売会社や信託銀行に分配される仕組みです。

ただし、信託報酬が高いことが必ずしも良い投資信託を意味するわけではありません。信託報酬の高さは投資信託の運用手法による違いが主な要因です。例えば、後述のアクティブファンドは情報収集や銘柄分析の作業が多く、積極的な売買も行われるため、信託報酬が高くなる傾向があります。

 

換金時にかかる「信託財産留保額」

信託財産留保額とは、投資信託を途中で解約(換金)するときに支払う費用です。購入時手数料や信託報酬のように販売会社や運用会社の収益とはならず、換金後も残る信託財産に組み込まれる資産です。

投資信託の資金は運用によって株式や債券などに投じられています。途中で換金する際、保有する資産を売却して現金化するため、売却に伴う手数料をカバーするための資金が信託財産留保額に当たります。

途中換金をする投資家と他の投資家の公平性を保つために設定されていますが、一部の投資信託では信託財産留保額を設けていない場合もあります。

 

その他の費用は目論見書で要確認

「購入時手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」以外にも、投資信託にかかる費用があります。その他の費用については、目論見書で確認できます。

目論見書は、投資信託を購入する際に重要な情報を提供する書類で、「投資信託説明書」や「交付目論見書」とも呼ばれます。ファンドの投資目的、リスク、運用実績などに加え、かかる費用についても詳細が記載されています。費用は投資のパフォーマンスに直接影響するため、購入前にしっかりと確認することが大切です。

 

初心者におすすめの投資信託の選び方

多様な種類のファンドから自分に合ったものを見つけるのは難しいですが、必要な情報を集めてファンドの特性を理解すれば、初心者の方でも適した投資信託を選ぶことが可能です。ここでは、初心者におすすめの選び方について説明します。

 

投資信託の投資先は主に5種類

投資信託の投資先の分類は大きく「資産」と「地域」に分けられます。資産タイプには「株式」「債券」「不動産(REIT)」のほか、これらを組み合わせた「バランス型」、さらには「コモディティ」(商品)としての原油や金などが含まれます。

地域は「国内」と「海外」に分かれ、海外投資はさらに「先進国」や「新興国」に細分されます。

資産ごとにリスクや期待リターンが異なり、特にバランス型は複数の資産を組み合わせているため、リスク分散がしやすい点で初心者に向いています。

国内と海外を比較した場合、為替変動リスクも伴う分、海外を投資対象とした方がリスクや期待リターンが高くなる傾向があります。

 

初心者向きと呼ばれるインデックス型

投資信託には、主に「インデックス型」と「アクティブ型」の2つの運用手法があります。インデックス型は、日経平均株価やS&P500などの特定の株価指数(ベンチマーク)に沿った運用を行う投資信託です。

インデックス型はベンチマークに合わせて運用するため、指数以上のリターンを期待するのは難しいものの、運用コストが低く抑えられ、個別株投資に比べてリスクも低めです。そのため、投資初心者の方にとって取り組みやすい選択肢の1つです。

さらに、インデックス型の投資信託の基準価額は、市場全体の動きに連動する性質から値動きが分かりやすく、リスク管理しやすいのがメリットです。

 

上級者向きと呼ばれるアクティブ型

アクティブ型は、運用の専門家が市場分析や銘柄選定を行い、ベンチマークを上回る成果を目指す投資信託です。インデックス型と比べて高いリターンが期待できる一方、積極的な売買が行われることでコストも高くなる傾向にあります。

運用成果はファンドごとに異なり、適切な投資信託の選択が重要です。市場の動向を的確に把握する必要があるため、投資初心者の方にはリスクが高く感じられるかもしれません。

一方で、上級者の方にとってはインデックス型を超える、高いリターンを得られる可能性のある投資先の1つとして検討する対象となりえます。

 

意外と難しい?バランス型

バランス型は、特定の資産に偏らず、複数の資産をバランスよく組み合わせた投資信託で、地域分散を取り入れた商品もあります。このため、1つの投資信託でさまざまなリスク分散が可能です。

しかし、手軽に分散投資できる反面、インデックス型と比べてコストが高く、基準価額の値動きの要因が分かりづらいといったデメリットがあります。

高コストによる収益機会の損失も考慮すべきであり、バランス型が初心者に最適とは限りません。自身の投資方針に合うかどうかを慎重に検討することが大切です。

 

要注意!投資信託で初心者がやってしまいがちなミス

投資初心者の方は、リスクを取りすぎたり、投資の目的が定まらないままスタートしてしまうことがあります。よくあるミスを理解し、投資信託の特性や自分のリスク許容度をしっかり確認してから投資を始めましょう。

 

投資の目的を明確にしていない

2024年11月現在、国内には約6,000本もの公募投資信託があり、初めての投資ではどれを選べばよいのか迷ってしまうでしょう。しかし、投資の目的を明確にすることで、投資期間や目標金額、リスク許容度などが設定でき、目的に合った投資信託を選びやすくなります。

例えば、短期的に資金を増やしたいのか、長期的に資産形成を目指すのかなどの目的で、株式型・債券型・バランス型など選ぶ商品が変わってきます。教育資金や老後の備えといった目的別にも最適な商品が異なるため、投資目的を具体化することが大切です。

目的が定まらないままでは、分配金の高さや直近の値上がりに惹かれて商品を選んでしまい、結果として自身の目的に合わない投資信託を選んでしまうリスクがあります。

 

リスク許容度を決めていない

投資信託にはリスクが伴うため、投資初心者の方が自身のリスク許容度を事前に理解しておくことは非常に重要です。リスク許容度とは、投資家が経済的および精神的にどの程度の値下がりを受け入れられるかを示すものです。

例えば、100万円を投資して半額の50万円に値下がりした場合でも許容できるなら、その人は資産が−50%になるリスクを受け入れられるということです。リスク許容度は人によって異なるため、自身に合ったリスク許容度をしっかりと把握しておきましょう。

 

生活防衛資金を準備していない

投資に使う資金は、日々の生活費や生活防衛資金を差し引いた余裕資金で行うのが基本です。投資信託は元本保証がないため、価格が下落すると損失が発生するリスクがあります。

万が一に備え、最低限の生活資金を確保してから投資を始めましょう。生活防衛資金を準備せずに投資を始めると、損失が発生した際に冷静な判断ができず、さらに損失を拡大させる危険があります。

 

管理・把握ができないほど購入してしまう

長期的な安定運用を目指すには分散投資が有効ですが、管理しきれないほど多くの金融商品を購入するのは逆効果です。分散投資は価格変動リスクを抑えるために有用ですが、商品が増えすぎると各商品の仕組みやリスクを把握するのが難しくなります。

また、過剰な分散はリバランスを複雑にし、手間がかかるだけでなく、収益機会の損失につながる可能性もあります。自身に合った適切な商品数を見極めることが、安定した運用には欠かせません。

 

リスク管理には長期・積立・分散投資が基本!

投資のリスク管理には、「長期」「積立」「分散」という3つの基本的な手法が効果的です。

まず、「長期投資」を心がけることが重要です。ここでは長期投資とは10年単位以上の長期間の投資を指します。投資信託は商品によっては価格変動が大きいものもあり、特に短期売買では損失を被るリスクが高まります。しかし、長期の視点で投資を続けることで、価格変動が平均化され、リスクを抑えることが期待できます。

「積立投資」も有効なリスク管理方法です。少額でも定期的に投資を行うことで、購入タイミングの影響を軽減できます。市場が一時的に下落した際にも影響を受けにくく、長期的な資産形成に役立ちます。

「分散投資」は、特定の商品や資産に集中せず、複数の投資対象に資金を分ける手法です。国内外の株式、債券、不動産など、さまざまな資産に投資することで、特定の商品の下落リスクを軽減できます。

これら3つの基本的な手法を組み合わせ、自身のリスク許容度に合った投資を行うことで、長期的な資産形成へと繋がる可能性があります。

 

初心者は正しく情報収集することが大切

投資信託は、株式や債券に比べて気軽に始められる金融商品ですが、初心者の方は慎重な姿勢を持つことが大切です。

投資信託の仕組みや特徴、リスクについてしっかり理解し、常に最新の情報に注目する姿勢を保ちましょう。そのためにも、信頼できる情報源から正確な知識を得ることが重要です。

また、投資信託の購入を検討する際には、必ず目論見書などの契約締結前交付書面を確認しましょう。各商品の手数料やリスクなどが記載されており、これを基に自身の資産運用の目的、リスク許容度にあった商品なのかどうかをしっかりと確認して購入することが大切です。

東海東京証券のブログやメルマガでは、投資信託の基礎知識から市場動向の分析、金融商品の選び方などを分かりやすく解説しています。投資の学びをサポートする情報を発信していますので、ぜひ参考にしてみてください。