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根強い人気の金投資は初心者にもおすすめ? 基礎から注意点まで 分かりやすく解説

作成者: 阿部 司 |2025/02/28

 

金投資は歴史が古く、世界中で取引されています。株式等の金融商品や不動産とは異なる特徴を持つため、金は分散投資の選択肢として人気です。本記事では、初心者の方向けに金投資の基本的な特徴、メリット、デメリット等を分かりやすく紹介します。

 

 

金に投資するとは?

金投資は文字通り、貴金属である金を資産として保有する投資方法です。金は世界的に需要が高く、美しい輝きや優れた加工性、耐久性から宝飾品や電子部品等、さまざまな用途で利用されています。

さらに、金は換金性が高いため、「有事の金」として長年にわたり投資対象として人気があります。特に、インフレ時には金の価格が上昇しやすい傾向があることから、資産保全の手段として金を選ぶ投資家も多く見られます。

 

金の価格が決まる仕組み

金投資では、金価格が上昇することで資産を増やすことが可能です。金価格は、世界の需要と供給のバランスに応じて変動します。

例えば、世界経済が不安定になったり、国際的な紛争等により人々の不安が高まると、金の需要が増え、価格は上昇する傾向にあります。一方、経済が安定すると金への需要が落ち着き、価格は下落する傾向にあります。

また、海外市場では金の取引がドル建てで行われるため、ドル円の為替相場も日本での金価格(店頭小売価格等の市場価格)に影響します。一般的に、円安になると日本での金価格は上昇し、円高になると下落する傾向が見られます。

このように、金の価格はさまざまな要因で変動するため、投資を考える際は、需給関係や為替相場の動きをしっかり理解しておくことが重要です。

 

金投資のメリット:人気が根強い3つの理由

金投資が根強い人気を誇る背景には、以下3つの理由があると考えられます。

 

  1. 価値が安定している
  2. インフレヘッジになる
  3. 分散投資先として有効

それでは、1つずつ解説していきます。

 

1. 価値が安定している

金は希少な貴金属で、世界中で広く価値が認められているため、無価値になる可能性は極めて低いと考えられます。企業の倒産で株式が価値を失うリスクがある一方、金は現物資産であり、そのような信用リスクに左右されません。

さらに、金は宝飾品や工業用途等、多岐にわたる分野で需要があるため、需給バランスが崩れにくい点も特徴です。

もちろん、短期的には市場の影響で大きな価格変動が発生することもあるため、注意が必要です。

 

2. インフレヘッジになる

は、インフレが進行する局面で資産価値を守る手段として有効とされています。物価が上昇し通貨の価値が下落しても、金の価値は相対的に維持される傾向にあるため、インフレの影響を抑える「ヘッジ効果」が期待できます。特に、経済不安やインフレ時には金への需要が増加し、金の価格が上昇する傾向が見られます。

 

3. 分散投資先として有効

一般的に、金は株式や債券等の金融商品とは異なる価格変動のパターンを示すため、分散投資先の1つとして有効とされています。株価が下落する景気後退局面では、投資家が金を安全資産として選ぶため、金の価格は上昇する傾向にあります。

と株式市場の連動性は必ずしも一定ではありませんが、金を含めたポートフォリオを構築することで、投資全体のリスクを分散する効果が期待できます。経済環境の変化に対応した資産形成を目指す上で、金投資は有力な選択肢の1つといえます。

 

金投資の種類と比較

ひとことで金投資といっても、その種類は多岐にわたります。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶことが、効果的な資産運用につながります。

 

金地金(きんじがね/ゴールドバーやコイン)

金地金とは、ゴールドバーやコインなどの現物資産のことをいいます。この現物資産を直接保有することが金への投資となり、金投資の代表的な選択肢の1つです。

・メリット

現物を保有することで、金の価格変動による利益をそのまま享受でき、速やかに現金化できる点が大きな強みです。また、他の金融資産と異なり、発行体の信用リスクを受けません。

・デメリット

保管や売却にかかる手数料等のコストが発生するため、それらを考慮した運用が求められます。また、市場の変動に対して敏感であり、その影響を受けやすいというリスクも存在します。

 

純金積立

純金積立は、毎月一定額ずつ継続して金を購入する仕組みで、少額から始めることができます。

・メリット

少額から積立で投資することができます。この投資手法の特徴である毎月一定額を継続して購入するという点において、平均購入単価を抑え、安定した運用を目指すことができる点も魅力です(ドルコスト平均法)。さらに、一度積立設定を完了してしまえば、自動的に積立が継続されるため、運用の手間がかかりません。

・デメリット

積立した金はいつでも売却できるものの、売却時には手数料が発生するほか(購入時も同様)、保管にかかる費用も必要になります。また、価格変動リスクを抑えることができるとはいえ、金価格が下落した場合に損失が発生する可能性は考慮して投資しなければなりません。

 

金投資信託・金ETF(上場投資信託)

金投資信託とは、金や金に関連する金融商品へ投資する投資信託、金の市場価格等への連動を目指すように設計された投資信託のことで、金への投資を少額から始めることができます。金投資信託のうち、証券取引所に上場しているものを金ETF(上場投資信託)といいます。

・メリット

少額から取引でき、金の現物を保有せずに金価格の変動を活用した運用が可能です。金の現物を保有することがないため、保管等の手間が不要で、証券会社等の口座から簡単に取引できます。一部の商品はNISAの成長投資枠で購入できます。

・デメリット

価格や値動きが現物の金価格と完全に一致しない場合があります。

 

「金投資はやめとけ」デメリットと向いていない人の特徴

金投資にはメリットも多いですが、先述したようにデメリットや注意すべき点も存在します。金の価格は市場の動向に大きく影響されるため、短期的な値動きが激しくなることがあります。また、保管や取引にかかる運用コストも考慮する必要があり、全ての投資家に適しているわけではありません。

 

配当や利息が得られない

金投資は、株式のような配当や銀行預金のような利息を生み出さないため、得られる利益は金の価格上昇によるキャピタルゲイン(売買差益による収入)のみとなります。価格が上がらなければ収益は得られず、定期的なインカムゲイン(配当金等の収入)を期待する投資家には不向きです。

 

保管や管理に手間がかかる

金地金や金貨等、現物の金を保有する場合には、紛失や盗難のリスクが伴います。そのため、適切な保管と管理が欠かせません。自宅での保管が不安な場合は銀行の貸金庫サービス等を利用する方法も考えられますが、金融機関によっては年間で2万円前後の保管料が発生する場合があります。

 

場合によっては手数料が高い

金地金や金貨の購入・売却には、金価格に売値(小売価格)・買値(買取価格)の差であるスプレッドが上乗せされ、さらに別途手数料がかかることもあります。したがって、価格がある程度上昇しないと利益が出ない仕組みとなっています。保管場所を銀行の貸金庫にする場合には、年間の保管料も発生するため、金の現物を扱うコストは決して軽視できません。

 

初心者はどうすれば?おすすめの金投資はどれですか?

金投資を始めたいものの、具体的にどうすればよいか迷う初心者の方は少なくありません。

少額から投資可能な「純金積立」や「金投資信託」から、無理なく手軽に始めてみるのはいかがでしょうか。

 

まとめ

は世界中で需要が高い価値ある貴金属です。価格変動の予測が難しいことや、リスクの把握・管理が求められるといったデメリットは軽視できませんが、一般的に株式や債券等の金融商品と異なる値動きとなる傾向があるため、分散投資先の1つとして有効と考えられます。適切な割合でポートフォリオに組み入れることで、リスクを抑えながら安定的な運用が目指せるでしょう。

金投資を安定して続けるために、最新の市場情報を常に収集することが欠かせません。

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